合同会社VONTEN

「感覚で街を変える」—“やるかどうか”は面白いかで決める。デザインで舞鶴を変える、若き創業者の原点と未来。

CONTACT US

「感覚で街を変える」—“やるかどうか”は面白いかで決める。デザインで舞鶴を変える、若き創業者の原点と未来。

「感覚で街を変える」—“やるかどうか”は面白いかで決める。デザインで舞鶴を変える、若き創業者の原点と未来。

2025/11/13

 

―“やるかどうか”は、おもしろいかどうかで決めてきた。

国の重要文化財・舞鶴赤れんがパーク。その中に、20代にしてデザイン会社を立ち上げた代表金田。
金田は建築と職人の現場でキャリアを重ねてきた経歴を持ち、現在は空間からプロダクト、映画の美術制作、行政案件まで幅広い領域でディレクションを手がけている。

資金も人脈もない中で拠点に選んだのは、京都府舞鶴市にある700平米を超える大規模な赤れんが倉庫。
常識的に見れば“無謀”にも見えるスタートだったが、彼には明確なビジョンがあった。
そんな彼の「舞鶴から世界へ」というビジョンと想いの本質に迫った。

 

目次:

・“やるかどうか”は、おもしろいかどうかで決めてきた
・建築とものづくりに傾倒した学生時代
・ヒッチハイクの旅と、「頼ること」を知った経験
・大学中退、左官修行、そして職人としての道へ
・デザイン会社の立ち上げと、「赤れんが」への想い
・組織としてのスタイルと、採用へのスタンス
・これから実現したいこと:街に与える影響力

 

 

 


 

 

建築とものづくりに傾倒した学生時代

学生時代から“ものをつくること”への興味が強かった。そこから高校は建築専門のカリキュラムを持つ学校に進学し、構造計算や図面、コンクリート・鉄筋の強度試験など、実践で扱うための知識を中心に学んだ。
建築を専門に学ぶ日々の中で、ある非常勤講師との出会いが金田にとって大きな転機となった。その先生は芸大出身で、いわゆる“固い建築”とは異なる、もっと自由で柔軟な発想を持つ建築の面白さを教えてくれた存在だったという。

学校内の活動では、自分が考えたアイデアが実際に形になる経験もあり、 「自分の手で作らなくても、アイデアが形になるだけでも十分面白い。」

 

と実感。そこから、芸術大学という選択肢が生まれた。

最終的に進学先に選んだのは、建築学科のある芸大。「建築は、自分にとって外せない武器のひとつ」と語る通り、彼にとって建築は表現の軸であり続けている。

現場にも早くから立ち会っており、家業を手伝う中でリアルな建築の空気を肌で感じていた。

「好きなことは、めっちゃ突き詰める。でも嫌なことは、一切やらないタイプだったんです。」

 

この“好き嫌いの軸”は、大学進学後の進路選択にも現れている。

 

 


 

 

ヒッチハイクの旅と、「頼る」ことを知った経験

芸大の建築学科へ進学した当初は、すでに建築の基礎を理解していたため、1~2回生は復習をしているような感覚だった。”面白いことがしたい”という想いからファッションショーの自主開催など様々なことに挑戦する。しかし、建築以外の他ジャンルに踏み込んでいくにつれ、周囲の表現力との自分のギャップに自信を失いはじめる。

「こいつには勝てないわって思う瞬間が増えましたね。」

 
画像
大学時代ファッションショーのリハーサル風景

一時は大学から足が遠のき、自室に引きこもっていた時期も。そんな折、世界一周の旅に出るという大学の友人に「この部屋の中しか見てなくて何が楽しいん?」の一言。これに触発された金田は、所持金ゼロでヒッチハイク旅に出ることを決意。向かったのは九州地方の鹿児島県・桜島だった。
ここから約900kmの長旅が始まった。

「どこまでできるかなって思ってたけど、なんかもう無力だったんですよね。それまで少し器用だったのでなんでも一人でやろうとしてたけど、ヒッチハイクで初めて“人に頼る”ことの大切さを知りました。」

 

 

画像

- 京都市内から鹿児島県・桜島へ -

 

画像

- 道中でお世話になった方々 -

 

この旅をきっかけに、「一人で背負い切らない働き方」への意識が生まれ、役割分担を意識しながら働いていく中で、後のギルド型のチーム構成へとつながっていった。

所属クリエイター | 合同会社VONTEN - 舞鶴市のデザイン・アート会社京都府舞鶴市に拠点を置くデザインアート会社・合同会社VONTENにて活動するクリエイター一覧です。vonten.jp

 

 

 


 

 

大学中退、左官修行、そして職人としての道へ

建築の設計課題では、現場経験から「実現可能なデザイン」を重視していた。一方で、他の学生たちはより自由で抽象的な発想を大切にしており、自身の実現可能性を重視する視点とは異なるアプローチが多かった。

「模型で理想的な建物つくっても、“それ現実では無理やろ”って思ってました。現場を知っていた分、そこが気になって仕方がなかったです。」

 

そんなとき出会ったのが、清水寺の修復に携わる左官職人だった。直談判して弟子入りし、大学を辞めて現場の仕事に本格的に入ることになる。古民家改修や左官の仕事にどっぷり浸かり、「職人」としての土台を築いていった。

「たまたま清水寺に行った時に修復工事を行なっていました。そこでこんな仕事に関わってみたいと思い弟子入りしました。」

 

当時から重要文化財というものに魅力に惹かれていたのかもしれない。

 

画像
直談判での弟子入りから左官職人へ
画像

清水寺修復作業

 

 


 

 

デザイン会社の立ち上げと、「赤れんが」への想い

左官・現場の仕事や家業の建築を手伝いながらしながら、徐々にデザイン・ディレクションの仕事にも関わるようになる。最初は趣味で始めたサバゲーの道具作りから始まった。そこからアパレル、イベントへと少しずつビジネスとしてできることが増えていった。

「自分の好きなものを作っていたら、みんなにも欲しいって言ってもらうことが増えて。そこがきっかけで今までやってきた建築と掛け合わせてデザインをするようになりましたね。」

 

ある程度売り上げも立ち、法人化のタイミングを見計らっていたが、決め手になったのは赤れんが倉庫との出会いだった。

「この場所でやるんやったら、今しかないって思ったんですよ。正直、判断基準は“おもしろいかどうか”だけだったんです。」

 

起業時点で、貯金はわずか数万円。クライアントもゼロ。そんな中で赤れんがを選んだ理由は、”感覚”と”確信”だった。

「20代で、重要文化財にオフィス構えるって絶対誰もやってへんやろって。そんなんめちゃくちゃおもしろいやろって。」

 
画像
VONTEN立ち上げ当初(2022年)

赤れんがに拠点を構えたことは、ブランディング面でも強みになった。特に行政案件などでは、そのインパクトが信頼にもつながったという。

「これといった営業は特にせず、“これええやん”って思えたもの以外はクライアントに出さない。納得いくまで手は抜かない。それの積み重ねで仕事が続くようになってきたのかなと思います。
最初はなかなか大変な時期もありましたけど、(笑)」

 

クオリティの担保と仕事に対する向き合い方が今のVONTENを作っているように感じ取れた。
設立から3年目に入り、紹介や継続依頼だけで安定的に案件が回るようになってきている。ここからが勝負になると金田は言う。

 

 


 

 

組織としてのスタイルと、採用へのスタンス

VONTENはマニュアルのない“自由な組織”だ。裁量が大きく、自立的なメンバーで構成されている。
これから規模が拡大していくにつれ、メンバーも増えていくだろう。新進気鋭なこの会社の求められる人物像とは。

「うちは定形業務が少なく、よく言えばみんな自由に働いています。言ってしまえばサボろうと思えばサボれる、やろうと思えばいくらでもやれる会社です。やりたいことを突き詰めたい人にはあってるかなと思います。
やりたくないこともある程度はみんなやりながらもって感じです。(笑)」

 

スキルを重視しながらも本人の「意思」を大事にしており、本人のやりたいことに対して適した仕事を分け与えるスタンスだ。

 

 


 

 

これから実現したいこと:街に与える影響力

起業当初からのビジョンは、「舞鶴という街そのものを少しずつ変えていく」こと。
ただし、それは大袈裟な都市開発ではなく、「暮らしの延長線上にある変化」だ。

「街を変えるっていうより、自分の部屋を少し整えるって感覚に近いですね。」

 

政治的な手続きや根回しは性に合わない。だからこそ、そういったものを超越する“存在感”を会社に持たせたいと語る。

「あの会社が動いたらなんか起きるぞって、そう思ってもらえるような、前例のないことをやり続けたいですね。やりたいというか気付いたらやってると思います。」

 

今後も、どの会社にもできない取り組みを続けていくつもりだ。

 

 


 

 

直感を軸に動いてきた金田の決断には、常に経験と実行力が裏打ちされている。
舞鶴というローカルから、“デザイン”という武器を使って街の空気を変えようとしている。

「あの場所じゃないと会社やってないと思います。」

 

こだわりと感覚、そして揺るぎない確信。
その覚悟がある限り、VONTENの挑戦は止まらない。

 

 

画像
 

Kento Kaneda

Producer / VONTEN CEO
合同会社VONTEN代表。京都市内にて内装設計等の仕事に携わった後、生まれ育った舞鶴市にUターン。2023年にデザイン・プロデュース会社『合同会社VONTEN』を設立。国の重要文化財でもある『舞鶴赤れんが倉庫』内に拠点を構える。『舞鶴から世界に』をミッションに空間デザインを主軸にしながら様々なデザインを手掛け、現在は映画の舞台美術やクリエイターによるギルド型組織の構築・ディレクション等を活動の幅を広げている。

--------------------------------------------------------------------
合同会社VONTEN
住所 : 京都府舞鶴市北吸1039−13 赤れんがパーク 4号棟2階
電話番号 : 080-7258-6022


--------------------------------------------------------------------

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。